国際化とこども教育 (2014年)

こども教育の充実

  私たちはこれまで発展途上国の安い労働力に支えられて成長してきた面が大きいと思います。これからはその発展途上国も徐々に力を付けて来て賃金も上昇し、且つ、強力なライバルになりかねないケースも見受けられます。 一方、我が国はこれから少子高齢化の時代に入り、更に、国際収支も赤字傾向で推移しそうで厳しい国際環境が予想されます。我が国がこれからも国際的に優位を保てるような存在である為には次代を背負う子供たちの教育の充実と、我慢力や独創性を育む環境づくりをして優秀な人財を生み出して行く必要があるかと思います。 

国語教育の重要性

  子供たちは2~3歳位になると本が好きになります。更に4~5歳位になると文字にも興味をもってきます。更に小学生位になると記憶力が最高で沢山の文字、言葉などに興味を持ち、読書の習慣もつくことにより知識が増え大局観の土台つくりにも有効です。

  国語はすべての教科に共通する情報伝達手段です。これから子供たちがどのような仕事に就くにしても国語が基本で、読み、書き、話す、考える、記憶する、コミュニケーション、それらをもとに大局観を組み立てるなどのプロセスは何れも国語です。その人の大局観はその人の仕事の成果に大きく影響します。その人に蓄積された知識は教養として生み出され長期的な展望や戦略作りに役立つことになります。

我慢力と独創性

 ところが、子供たちは成長するに従ってスポーツに、遊びに、友達との交流等に生活パターンも多様化し読書の時間も限られて来ます。その時間配分は本人の価値観により大きく左右されます。興味本位のものになると時間を掛けた割には成果とは無関係になってしまいます。例えば子供たちが大好きなゲーム。のめり込みたいのを抑えるにはご家庭の指導力もさることながら本人の我慢力等に大きく左右されると思います。科学技術の分野などではテスト、分析など、結果が出る迄に多くの時間を掛けなければならないケースもあります。中には10年、20年、あるいは一生取り組まねばならない場合もあり我慢の連続です。私たちの成果はその我慢力によって大きく左右されます。

  また、私たちの仕事には独創性が要求されます。何かの行動を起こすにも先ずは自分で考え、自分で色々なアイデアを出し、それを周囲の協力を得て更に良い構想に育て上げて行くという環境づくりも必要です。このようなプロセスを子供たちの中にも作り出してあげたいと思います。

国際競争で生き残るには

  子供たちはこれからの国際化の波の中に否応なしに吞まれて行く運命にあると思います。そこで役立つのは国語力を中心とした教育の充実、それに独創性や我慢力の醸成かと思います。

  更に自国の誇りである歴史、伝統、文化,芸術、習慣等も基本的な知識として蓄積されている必要があります。今回、LEDの発明でノーベル賞を受賞した日本人受賞者3人の方々の努力などをお聴きすると、「忍耐」と「諦めない」という言葉が印象に残りました。

  参考資料:新潮文庫 藤原正彦著「祖国とは国語」及びTOPPOINT(2013.11月号) (株)パーソナルブレーン発行。

バックナンバー
創刊号 カオル幼稚園はこのように考える。(1979年)
2 カオル幼稚園はこのように考える。(1980年)
3 躾について (1981年)
5 21世紀を担う子供たちに明るい社会を (1983年)
9 この10年を顧みて (1987年)
10 子供の将来には無限の危険性も (1988年)
11 家庭での子供達の生活空間を考える (1989年)
12 玩具あれこれ (1990年)
13 子供の食習慣と栄養 (1991年)
15 子供達の自主性を育てよう (1993年)
16 やり直しがきかない子育て (1994年)
17 感性をはぐくむ (1995年)
18 遊びについて (1996年)
19 自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)
20 父親に期待される子育て (1998年)
21 女性の社会進出と子育て支援 (1999年)
22 思いやりの心を育む (2000年)
23 これからのエリート教育 (2001年)
24 子育て環境は8歳までが勝負 (2002年)
25 メディア漬けから子供たちを守ろう (2003年)
26 これからの子育て支援 (2004年)
27 ことばの教育 (2005年)
28 食育について考える (2006年)
29 真っ当な人間に育てる (2007年)
30 創立30周年にあたって (2008年)
31 「自然」は最良の教師 (2009年)
32 本を読む習慣を付けよう (2010年)
33 群れ遊びについて考える (2011年)
34 こどもには沢山の体験を (2012年)
35 美徳を取り戻そう (2013年)
36 国際化とこども教育 (2014年)
37 子ども・子育て新制度を考える (2015年)
38 リーダーを育てる (2016年)
39 データから見た幼児教育の重要性 (2017年)