自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)

子供達は自然とのかかわりが少なくなっている。

 最近、子供達の話題の中心は、コンピュータゲームや電子玩具、テレビマンガの主人公などが巾をきかせていて、自然に接する機会も少なく、道端に咲いている草花や、庭に飛んでくる小鳥、畑の蝶々、峠道のバッタなど観察する機会は殆ど無い。

また、私達周辺の自然は都市化の影響などによリ年々大きく減少している。小川の魚や水棲昆虫も水質の悪化によリ殆ど見られなくなってしまった。

私達はせめて住宅の周リだけでも自然を取リ入れようと努力しているが種々の制約があって思うにまかせない。

その結果、子供達は本や映像からの知識偏重となり、頭で覚えて実体験に乏しい生活になってしまう。

そして子供達の間には、いじめや動物虐待、少年の凶悪犯罪などの事件が多発し、子供達の教育環境は大きく悪化しつつある。

これらも自然環境の破壊と無関係とは言えないようだ。

自然環境を大切にしたい。

私達カオル幼稚園は自然を大切にして来ており、子供達も四季折々変化する自然の中で多くの植物や動物たちとの出会いを楽しんでいる。

堆肥の中に住んでいる兜虫の幼虫にびっくりしたり、春から夏にかけては多くの花や若葉に囲まれ、秋には子供達の遊び着のポッケは木の実があふれている。

どんぐリや胡桃の実などは子供達が先に競って拾ってしまうため、大人達へは廻ってこない。また、自然の少ないような所にはすみやかに植樹を手掛けており、そこには多くの野性の小鳥や昆虫たちが集まって来るが、園内でも出来るかぎリ小動物や魚たちを飼育しています。

子供達は見たリ、触ったり、声を聴いたりして遊びながら多くを学ぴ、身につけることができます。

生きものを大切にする心を育む

子供達は動物が好きで、小動物の飼育小屋の周リに来ては金網の間から雑草や野菜の残りなどを差し入れて食べさせながら話し掛けている。

自宅の台所から野菜屑を持参して来る子供も見受けられる。園庭では空の牛乳パックを大切そうに抱えている子供もおり、その中には蛙の赤ちやんやバッタなどがが入っている。多分、家へ持ち帰って飼っておこうと考えているのでしょう。

たまには、飼育している動物が死ぬこともあリ、子供達はそれをいち早く見付け、「モルモットが死んでいる」とか「兎が死んでいる」と教えてくれ、先生と一緒にお墓作リの姿も見受げられる。

自然に遊ぷ、大地に学ぶ

このように自然とのかかわりを通して、体験しながら心身共に健康に育ち、慈しみの心や友達を思いやる心優しさを分かちあえる子供になってほしい。

そしてどんなことにでも興味を示し、意欲的に学ぶ、豊かな創造力をもった子供に成長してほしい。そんな私達の願いが表題の言葉には込められています。そのような自然環境を与え続けながら毎日の保育に取リ組んでおリます。

バックナンバー
創刊号 カオル幼稚園はこのように考える。(1979年)
2 カオル幼稚園はこのように考える。(1980年)
3 躾について (1981年)
5 21世紀を担う子供たちに明るい社会を (1983年)
9 この10年を顧みて (1987年)
10 子供の将来には無限の危険性も (1988年)
11 家庭での子供達の生活空間を考える (1989年)
12 玩具あれこれ (1990年)
13 子供の食習慣と栄養 (1991年)
15 子供達の自主性を育てよう (1993年)
16 やり直しがきかない子育て (1994年)
17 感性をはぐくむ (1995年)
18 遊びについて (1996年)
19 自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)
20 父親に期待される子育て (1998年)
21 女性の社会進出と子育て支援 (1999年)
22 思いやりの心を育む (2000年)
23 これからのエリート教育 (2001年)
24 子育て環境は8歳までが勝負 (2002年)
25 メディア漬けから子供たちを守ろう (2003年)
26 これからの子育て支援 (2004年)
27 ことばの教育 (2005年)
28 食育について考える (2006年)
29 真っ当な人間に育てる (2007年)
30 創立30周年にあたって (2008年)
31 「自然」は最良の教師 (2009年)
32 本を読む習慣を付けよう (2010年)
33 群れ遊びについて考える (2011年)
34 こどもには沢山の体験を (2012年)
35 美徳を取り戻そう (2013年)
36 国際化とこども教育 (2014年)
37 子ども・子育て新制度を考える (2015年)
37 リーダーを育てる (2016年)